「ていうか、劇やるにしても、予算オーバーじゃない?」

「…………………」

「脚本とか、誰が書くのかな。」

「……………………………」

シーンと一瞬の沈黙があった。
そして。

「紫苑ちゃん!聞いてる。」

「あー、もー、聞いてるよ!人任せだね。翔太も。頭いい人にかぎって『これ』なんだから!全くもう!」

「こ、これ?」

「実行委員のあんたが、そんなに悩んでどおする!はやく、決めちゃいなさいよ。」

「そーう?」