憂鬱過ぎる1日を終えて教室を出る。

無論一緒に帰る相手などいる訳もなく虚しく靴箱へと向かった。


いつもだったら優ちゃんが一緒に帰ってくれるのだが生憎今日は委員会。


ボッチパラダイスである。



右にはイチャイチャとする男女のカップル。左には3,4人でガヤガヤと話す女子のグループ。


私は逃げるようにその場を後にした。



マフラーの隙間から零れる吐息が世界を一層と白くさせた。



空を見上げると今にも雪が降るのではないかと悟れるような曇り空。

先日積もった雪の上に更に積もる雪は世界をどう変えるのだろうか。




「...はぁ。寒い。」



誰にいうでもない独り言が虚しく純白へと消えた。



...家に帰ったって1人。


私の両親は他界していて祖母祖父でさえこの世にはいない。

血縁者が誰もいない私にとって独りは寂しいものではなかった。


ただ、虚しいだけ。




そんな心を打ち消すようにボロボロのアパートの階段を上がる。


雪で滑り落ちないようそっと。


ガチャ、という音とともに家の中へと入る。「ただいま」と呟いたって返ってくることは.....



「あ、おかえりなさい。」




「...え?」



聞こえるはずのない声だけが部屋から響く。




「勝手にお邪魔してごめんなさい。」


「...えっ、あ...あの...」



理解ができない。


ただでさえ回転の悪い頭だ。
こういう時にフル回転するわけが無い。



「申し遅れました。宇宙人です。」





「...は?」





















これが私とこの人の出会い。