やはりこういう新生活への不安が少しある時、兄がいてくれてありがたいと思う。

…普段はそんなに感謝とか感じないけど。


ただ私はすごく人見知りなのだ。対して兄はすごくコミュ力が高くてすぐに馴染めて、友達が多い。だからいつも決まって兄の友達と仲良くするという流れになる。

でも、高校生にもなってそんなことは言ってられない、自分は自分でちゃんと向き合える友達を作らないと!クラスは今まで別々になることはなかったけど、高校はクラス数も多いし、離れてしまうことも視野に入れておかないと。

そう意気込んで兄の隣を歩いていると、前の方にクラス分けの掲示板を見ている人の塊があった。

「ちょっとクラス見てくるな~、あーちゃん背低いから見えねぇだろ」

少し茶化したように兄は私を見下げる。
「う、うるさい!私だって見えるし!」

そう言って精一杯背伸びしたものの全然見えない。

「うぅぅ…、お願いいたします、お兄様…」

「最初からそう言えよ、じゃあ大人しく待っとけ」
笑いながら兄は私の頭をぽんぽんと叩き前に行ってしまった。

ていうか、普通、妹にたいして“頭ぽんぽん”って。
彼女にやるもんでしょ。

(あーあ、みっくんにも彼女できるのかな高校で。私も彼氏ほしー
)