塩顔男子とバツイチ女子



ギャンギャンうるさいなぁ。大学にいる時と同じで騒がしい。


「蒼ってホント分かりやすいよね」

「うん。昔から同じ」

「何が」


優斗の分かりやすいという指摘に、やり合っていた二人は静かになる。蒼の行動は本当に高校時代から変わらない。中身が成長してないというか。いい意味で。


「でもなー…北斗、これ言っていいの?」

「いいんじゃない、別に」

「何だよ。ハッキリ言えよ」

「蒼ってさ、好きな子にほどちょっかいかけて追いかけ回してるよね。昔から」


玉木が小さな声で、えっ、と言った。少し引いて蒼を見ている。蒼は蒼で照れ隠しなのか、図星を突かれた痛手なのか、優斗の背中をバシッと叩いた。


「でも蒼はボロクソにフラれてるんだもんね?完璧脈ナシじゃん。可哀想。しかも美白ちゃんは北斗がいいんでしょ?」

「俺は何度も断ってるんだけど」

「お前すごいよね。何回も好きだって言われたら興味なくてもちょっとは気になるし、普通はその気になっちゃうよ。俺はそう。蒼だってそうでしょ?なのに北斗はスンとしてるもんな」


俺も昔から変わってない。スンとしてるかどうかは別として。スカしてるとか言われるけど。そんなつもりないのに。


「スンとしてるかどうかは関係ない」

「相楽くんはそういうとこも含めてカッコイイの!」

「みんなそう言うんだよな。北斗は見た目がいいから。みんな見た目に騙されてる」