塩顔男子とバツイチ女子



寒空でのバーベキューなんて…と思っていたけど、火を使っているから暖かい。むしろちょっと暑いくらい。

他にもバーベキューをやっている人が結構いて、そこかしこで賑やかな声がする。


「ん、これ美味しい」

「チーズがヤバい」


熱々のオニオングラタンスープ。調理器具は全部借りれるから、俺達が来る前に作ってくれていたらしい。


「それ美白が作ったやつ。ママ直伝なんだって。美白、良かったじゃん」

「相楽くんの好き嫌い分からないから、スープならみんな飲めるかなって」

「美白ちゃん、今度レシピ教えて」


さっきまで照れ笑いしていたのに、なつみさんの一言で急に怪訝な表情に…っていうか鬼の形相になってる…。


「…相楽くんに作るんですか」

「違う違う。家でも作ってみたいなって思って。とは言っても、今は手の込んだ料理する時間がないんだけどね」


なつみさんは週に何度か夕飯を作ってるって言ってたけど、どんなもの作るんだろう。


「はい、肉焼けた。冷めないうちに食わないと。なつみさんもいっぱい食ってね」

「ありがとう」


優斗は焼けた肉を大皿にドサッとのせる。牛肉の塊肉やタン、カルビ、豚トロにチキンステーキ、色んな肉が出てきて何だか焼肉の延長みたいになってる。


「なつみさん、おにぎり焼いていい?時間かかりそうだし」

「あ、私がやろうか。蒼くんも座って食べて」

「マジ優しい!美白と大違い」

「大違いってどういう事?!私、来てからずっと下準備してたしスープも作ってた」