「天気が良かったらピクニックもいいよね。お弁当でも作ろうかな…」
「えっ、北斗くん、料理出来るの?」
なつみさんはコップを落としそうになって、レモンティーを少しこぼしてしまった。
「うん。割と好きで自分で作る時もある。俺、子どもの頃はほぼ家にいたから。放課後に遊ぶ事もなかったしその頃は母親もフルで働いてて、時間があるなら料理でも身につけなさいって。それでやるようになった」
「知らなかった。新しい一面だわ」
水族館の後でのんびりピクニックも楽しそう。一人だとどうしてもインドアだから、家から一歩も出ない時もあるし。
「運転も俺がするよ」
「ほんとに?何か私、至れり尽くせりじゃない?バチ当たりそう」
「どうして?いつもなつみさんが俺にしてくれてる事を、今度は俺がなつみさんにやるだけだよ」
「ありがとう」
好きな人に何かやってあげたいという気持ちを、なつみさんと一緒にいる時間の中できちんと知ったような気がする。蒼や優斗に対するものとはまた少し違う。
「北斗くん、夕飯どうしようか。いっぱい食べたけどお腹空いてる?」
「まだ空いてない。なつみさん、一緒に作らない?」
「一緒に?いいね」
これからもずっとなつみさんの笑顔が見たいから。俺が笑顔にさせたいから。その為に何が出来るかは分からないけど、横並びで平等に。なつみさんと一緒に歩いて行こう。
End
「塩顔男子とバツイチ女子」

