何もせずのんびりと夕日を浴びるのは久しぶりだ。昼間に比べて涼しくなってきた空気が気持ちいい。
なつみさんの実家とみすみさんの家の造りはやっぱり似ている。中に入ると間取りは全然違ったけど、縁側の感じとか雰囲気がよく似ていて。
「北斗くん」
「ぼーっとしちゃってた」
なつみさんは三人を駅まで送った後、俺をみすみさんの家に連れてきてくれた。さっきまでの賑やかさが嘘のように静かだ。
圭さんは飲んだ後に運動までしたからヘロヘロになって眠っちゃったし、蒼と優斗はサッカーで白熱していた。俺も途中まで参加してたけど疲れて、なつみさんのお母さんとケーキを食べながら話していた。
みすみさんと知り合ったキッカケ、俺の大学のこと、それからなつみさんとの出会い。
「飲む?」
「ありがとう」
アイスレモンティーがさっぱりして美味しい。なつみさんは俺の隣に座った。二人きりになるのも久しぶり。
「今日賑やかだったね。楽しかった。北斗くんがサッカー上手なのも新発見」
「全然上手じゃないよ。蒼と優斗は昔やってたんだって。俺、今日改めて思ったんだけど。あの日なつみさんに出会わなかったら今どうしてたんだろう」
みすみさんのお店で偶然、なつみさんに出会って。あれから半年位しか経っていないのに今こうして一緒にいる。俺がついた嘘がキッカケで全部が動き出した。玉木との事も、蒼の恋も。
「きっと私はまだ勝手に肩身の狭い思いをしながら、仕事に明け暮れてたと思う。母ともちゃんと向き合えなかったんじゃないかな。やっぱりどこかで申し訳なさもあったから。出戻ってくる事に対して。実はね、もう一年経つんだよ。離婚してから」
「じゃあ、なつみさん、去年は離婚して間もなく誕生日だったの?」

