塩顔男子とバツイチ女子



「ごめんね。待たせちゃった?」

「全然。さっき着いたから。なつみさん、車違うね」

「私のだとギューギューでしょ。圭の借りて来た。みんな乗って」


なつみさんが後ろのスライドドアを開けてくれて。俺は助手席のドアを開ける。


「お邪魔しまーす」

「なつみさん久しぶり!」

「こんにちは」


優斗、蒼、玉木の順に座ってシートベルトを締めると車は滑らかに発進した。


「なつみさん、着てくれたんだ。似合ってる」

「暖かくなってきたからちょうど良いかなって。ありがとう」


なつみさんは薄ピンクのゆったりしたカットソーに白地の花柄スカンツを着ていた。ホワイトデーのプレゼント。


「何?北斗があげたの?」

「ホワイトデーに貰ったの。美白ちゃんは何貰ったの?」

「私はバッグです。これ」


玉木は持っているバッグをルームミラーに映した。ネイビーのバケツ型のバッグ。持ち手にはオレンジベースのスカーフが巻かれている。


「スカーフが付いてて可愛いね。この形流行ってるし。蒼くん、さすが」

「でしょ?俺こーゆーの選ぶの得意だから」


バレンタインになつみさんに貰ったブラウニーはドライフルーツやナッツがたっぷり入っていて美味しかった。ずっしり濃厚で、お腹にたまるから栄養補給にもなったし。


「優斗くん、久しぶりだね。北斗くんからすごい忙しかったって聞いてたけど。痩せた?」

「そうなんすよ。先月からずっと忙しくて、五キロ痩せました。やっとちょっと戻ってきて」

「そんなに?今日はいっぱい食べて、体力つけてね」


優斗はものすごいハードスケジュールのせいで、顔がやつれた。痩せたというより完全にやつれ。先輩達の卒業式でのショーの裏方、それから新入学生を歓迎する為のファッションショー