塩顔男子とバツイチ女子





「今日マジ暑いな。バーベキューするにはちょうどいい天気だけど」

「なつみさん、もうすぐ着くって」

「美白もそろそろ来ると思うんだけど」

「蒼、何で美白ちゃんと一緒に来なかったの?」

「俺は来るつもりだったの。そしたらアイツ、寝坊したんだよ。信じらんねー」


今日は先にデパ地下に寄って、蒼オススメのケーキ屋さんに行ってきた。季節のフルーツを使ったケーキが人気のお店らしい。その他にも定番のチーズケーキや濃厚なチョコレートケーキ、タルトにプリン、それから別のお店でフルーツゼリーも買った。
元々最初から四人で行って、そのままなつみさんと合流する予定だったんだけど、玉木が寝坊したらしく蒼はキレそうになりながら一人で来た。今は駅のロータリーでなつみさんを待っている。


「蒼~!」


後ろから声がして振り返ると、エスカレーターを降りて走って来る玉木がいた。デニムのワイドパンツにボーダーのロンTとスニーカー。こんなカジュアルな玉木は初めて見た。


「ごめんね、遅くなって」

「お前、マジふざけんな。俺がちょっとでも遅刻したらギャンギャン言うくせに」

「ほんとごめん。アラームかけ忘れちゃって。優斗くんも北斗くんもごめんね」


玉木は俺達に手を合わせて謝った。俺は別にいいんだけど。買い物が無ければそれぞれここに集合する予定だったし。


「美白ちゃん、気にする事ないよ。蒼だってお互い様でしょ?」

「お互い様じゃねーわ」

「意地張るなって」


優斗が蒼を宥めていると、俺達の前に黒のファミリーカーが止まった。助手席の窓が開く。