今まで逆チョコなんてやった事がなくて、何が正解なのか分からないから一応ネットでは調べたけど。喜んでくれて良かった。


「一つ聞きたいんだけど。これは友チョコ?それとも本命?」


北斗が居たら多分、余計なこと聞かないで貰っておけば?って言うだろう。俺は余計な一言が多いから。でも勘違いしたくないから、勝手に浮かれたくないから、ハッキリさせておかないと。


「…私、考えたよ。この前、蒼に言われたでしょ。俺を何だと思ってんだ、って。蒼、怒らないように抑えて言ってくれてたけど、あんな姿初めて見て」


あの時はブチ切れそうな気分だったけど、それは男らしくないしフェアじゃない。気持ちに温度差があるのは元々分かってるし。


「私が何度断ってもデートに誘ってくれたり、毎日連絡くれたりして。そのうち、蒼って本当は真面目でいい人だし、口は悪いけど私の事を大事にしてくれるんじゃないかなって思い始めた。でもやっぱりどこかで吹っ切れてなくて」

「北斗だよな」


それは気づいてた。諦めはついてるって言ってたけど、北斗を追いかけ回さなくなった頃から多分ずっと葛藤してたんだと思う。まだチャンスがあるかも知れない、でも自分には絶対振り向かないから諦めるべき…っていう二択で。


「うん。でもあの日で踏ん切りがついたの。私は私を大事にしてくれる人と一緒にいよう。何でも本音でぶつかれる人じゃないと幸せになれないなって」

「何でも言っちゃうからね、俺」

「余計な一言が多いね」


美白も同じだと思うけど。言いたい事はハッキリ言うし。だから俺はボロクソにフラれて、なつみさんなんてオバさん扱いされて、北斗はビンタされて。あ、それは今関係ないか。