塩顔男子とバツイチ女子



「なつみさんが好きです。今日、デートに誘ってくれてありがとう」

「こちらこそ、こんなにたくさんプレゼントありがとう。私も北斗くんが好きだよ」


ぱっちりした目にアイラインが綺麗に引かれて、ピンクのチークとリップがふんわりして可愛い。
なつみさんは、あっ!と言ってバッグの中から薄いピンクの紙袋を取り出した。ゴールドのリボンが付いている。


「美味しいか分からないけど作ってきた。北斗くんへのバレンタインチョコ」

「なつみさん、ありがとう」


人前でこんな事するタイプじゃないのに。なつみさんをギュッと抱きしめた。嬉しさと、好きだという気持ちを伝えたくて。


「びっくりした」

「全然抱きしめたりしなくてごめんね」


俺って全然前に進んでない。恋愛ベタ。


「北斗くんの愛情はちゃんと感じてるよ。いつも私の事を守ってくれる。ありがとう」


お母さんと和解した日、なつみさんが言ってくれた。『離婚して出戻ってきて良かった。あの時は本当にお先真っ暗、奈落の底に落ちたような気持ちだったけど、北斗くんに出会えたから良かった。いつも私の味方でいてくれて、守ってくれてありがとう』と。


「北斗くん、冷えちゃったでしょ?行こうか」

「なつみさん、手繋ごう」


初めて手を握ったのはバーベキューをした日。あれからそんなに経っていないのに、今はこんな風に手を繋いで歩いている。


「お腹空いた~。何食べようかな」

「えっ、ピザじゃないの?俺、もうピザの口になってるけど」

「ピザだよ。何のピザ食べようかなって。そこ、パスタも美味しいの。迷っちゃう」


なつみさんが子どもみたいな無邪気な笑顔になるから可愛くて。もっと色んな表情をたくさん見たい。


「分けて食べよう」

「そうだね。いつも通り、色んなもの食べよう」


仕事の話、勉強の話、それから蒼や優斗、玉木の話、家族の話、いつも色んな話をしながら料理を二人で分けて食べる。
それから忘れずに次のデートの約束もしよう。
来年もなつみさんにバレンタインのプレゼントをあげられるといいな。