塩顔男子とバツイチ女子



「義理は貰えんだろ?友チョコ的な」

「多分ね」


優斗もモテないわけじゃないと思う。普通に見た目はいいしオシャレだし、性格もいい。


「美白に逆バレンタインしようと思って」

「あ!俺も思ってた。この前、母ちゃんに言われて知って」


あれからネットで調べたら欧米ではバラの花束をあげるらしい。それからチョコレートでも贈ろうかな。なつみさんはチョコレートが大好きだから喜んでくれるはず。


「マジか。北斗、何あげるか決めた?」

「うん。欧米ではバラの花束をあげるんだって。まぁ、小さいブーケくらいにしようと思ってるけど。あとチョコレート。なつみさん、好きだから」

「花かぁ~。それいいな」

「蒼も北斗もフツーに花屋に入って行けるタイプだもんな。男って苦手なヤツ多いけど。俺もそうだし」


蒼はどんな場所でも大抵平気。俺もそうかな。さすがに女性だらけの場所に一人で行く勇気はないけど、花屋は子どもの頃に兄貴と一緒に母の日のカーネーションを買いに行ってたから慣れてるし。


「気にしてたらもったいないじゃん。まぁ今はネットでも買えるしな。北斗はもう約束してんの?」

「してるよ。なつみさんから誘ってくれた。バレンタインの日は日勤だからデートしようって」


お母さんとも無事に和解したみたいで、俺との付き合いを認めてくれたと連絡をくれた。その時にデートの約束もして。


「いいよな~。相手からそう言ってくれるなんて」

「蒼はまた攻防戦か。でも美白ちゃんといい流れなんでしょ?」


なつみさんの職場でのボランティアの後、蒼は玉木と食事へ行って、その場で玉木に今でも好きだと言ったという。