俺と北斗が知り合ったのは高校に入ってすぐだった。俺と北斗は今でも本当に正反対で、見た目はもちろん性格も考え方もまったく違う。俺は昔からヤンチャで外で遊ぶ事が好き。兄貴が二人いる末っ子で少し歳が離れているから、良くも悪くも兄貴達を見てきたせいで高校に入る時はなぜかイキっていた。

高校は家から電車通学で、同じ中学からは幼なじみの優斗だけだった。

イキっていた俺は春休みに金髪に染めて、入学式もそのまま。母ちゃんにめちゃくちゃ怒られたけど、目立つ事が好きな俺はそのまま行ってしまった。今考えれば本当にバカで、そんな事で目立っても無駄に目をつけられてろくな事がないと教えてやりたい。校則違反だから怒られたし(なぜか意地になって、ギリセーフの茶髪に染め直したのは一ヶ月くらい経ってから)、制服もいつも着崩していた。今でもつい腰パン。

北斗は今と同じ黒髪で当たり前だけど制服もきっちり着ていて。
背は俺とさほど変わらないのにシュッとして、何事にも動じなさそうな雰囲気を醸し出していた。
すぐにクラスの女子は北斗がクールでかっこいいだとか、イケメンだとか言い出して、北斗が本当はどんなヤツだか無性に知りたくなった。


『お前スカしてるよね、何でなの?』


一番最初にかけた言葉は確かこれだったと思う。北斗はキョトンとした顔をして、その後に冷め切った声で『してない』とだけ言った。
そこから二ヶ月くらい俺が猛攻を続けた。あいつが俺に興味があるなしは無視して。

北斗は全然表情が変わらなくて何を考えているのか分からない。その上人と群れない。クラスメイトと普通に会話するんだけど、それ以上にはならない。