塩顔男子とバツイチ女子



「俺、なつみさんとならどこでも行ってみたいなって思う」


昔から付き合いは悪い方。蒼や優斗と仲良くなってからは出かけるようになったけど、それでも二人ほどアクティブではない。二人はそれぞれ友達と遊びに行ったり、遠出もしてる。
遊ぶのは好きになったけど、それでもやっぱり一人の時間が好きで。


「私も時間作るようにする。そうしないと北斗くんに愛想尽かされちゃう」


ちょっと照れながら苦笑いした表情が可愛い。


「俺の方こそ愛想尽かされないようにしないと…蒼に死ぬ程からかわれる」

「蒼くん元気?」

「はい。昨日、玉木と会ったって。玉木がセールに行きたくて、荷物持ちさせられたって愚痴ってたけど嬉しそうだった」


蒼はクリスマスの夜、バイト終わりの玉木と一緒にカフェでケーキを食べる事に成功していた。玉木は断固として断っていたのに、蒼に根負けしたらしい。


「美白ちゃん可愛いから、蒼くんも気が気じゃないんだろうね」

「蒼はいいヤツだから上手くいくといいと思ってる。二人一緒にいるとギャンギャンうるさいけど」

「賑やかで羨ましいよ。そうだ、チョコレート。ありがとう。美味しかった」


クリスマスの夜、俺はなつみさんにチョコレートをプレゼントした。自分で買うのはちょっと贅沢かな?っていう、プレゼントにはちょうど良さそうなチョコレート。渡した翌日、なつみさんから美味しかったと連絡が来たけど、こうして改めて直接言ってくれるのがまた嬉しい。


「喜んでもらえて良かった」

「お返しにね、ちゃんとデザートも作ってあるから。ご飯の後で食べよう」

「マジで?やった。写真撮ろ」


俺は甘い物が結構好きだから、なつみさん手作りのデザートなんて楽しみすぎる。