眠る前、暗い空を見て。
ひとりになってから、何回も思ったことがある。これは現実じゃないんじゃないか。実は、夢なんじゃないかって。
でも、寝て起きて、外を見れば明かりはさしていて、カレンダーは進んでいて。
当たり前のことだけれど、それが残念なような、でもホッするような感覚になる。
そんな日々を繰り返していたら。
………時間っていうものは、本当にあっという間に過ぎていく。
2日目、3日目、学校に仕事に、特になにかしていなくても勝手に月日は経っていき…。
学校では、いつも一緒にいる程ではないけれど、会えば喋るような友達が沢山できた。
人とのこの距離感は、近すぎず遠すぎずな、この感じが1番すき。
今日もいつも通り、1日を過ごし、久しぶりの仕事がお休みの日。
まだ見たことのない街並みを見て回りたくて、いつもは通らない少し細い道を通ってみた。
「????」
キョロキョロしながら歩いていると、足元に何かが当たって。
……石??
形が同じような、少し大きめの石がまるで案内しているように一定の間隔で並べられていた。
絵本みたい。
少しワクワクしながら石に沿って進んでみると、少し歩いたところにお店があった。
『桜コーヒー店』