教室に入ると、一気に興味の視線が注がれる。

うわ、緊張する…。

笑顔の先生に連れられ、黒板の前に立つ。
少し震える手で、名前を書いて…

「桜 永遠と言います。今日からこの学校で一緒に勉強させてもらいます。よろしくお願いします!」

礼をしながら深呼吸。心臓がなりっぱなし…。
顔を上げると、少しザワザワしてた教室がすごく静かで、一瞬が長く感じた。

「さてさて、じゃあ皆恥ずかしがってないで、仲良くしてね。
永遠ちゃんは、あそこの空いてるところに座ってね。
はい、ホームルーム始めるわよ。」

ドキドキの時間は、先生の言葉でなんとか終わって、案内された席につく。
窓際の1番後ろ。教室の皆が見れる、すごくいい席。嬉しい。

これからきっと、乗り越えなきゃいけない不安も迷いも沢山あると思う。でも、それと立ち向かうと決めた、その気持ちに曇はない。
『大丈夫、頑張るよ。お父さん、お母さん、見守っていてね。』

窓の外に広がる空に、ほほ笑みかける。
それに応えるように、雲が優しく揺れた。