校長先生に、挨拶をして、担任の先生と教室に向かう。
「この時期に転校してくる子は、珍しいから、きっと皆喜ぶわ。」
「そうですよね、仲良くなれると良いな。」
「皆、優しい子達だし、永遠ちゃんならきっと大丈夫よ。」
にこにこ話してくれる先生の声は、とても優しい。
まるで、お母さんみたい。
『2年3組』
教室の前について、先生に呼ばれたら、中に入るように言われる。
廊下にいても教室の中の様子が伝わってきて、緊張する。
そうだよね。だって、普通は、こんな時期に転校なんてしてこないもんね。
私が、この学校に来たのは、高校1年生の秋に、父が事故で死んでしまったから。
ずっと昔、私がとても小さい頃に母が病気で死んでしまってから、父1人に育てられてきた。
身寄りもない。お金もない。そんな私を引き取ってくれたのが、叔母だった。
いま、こうやって高校に通い続けていられるのも全て、叔母のおかげだ。
もし、叔母がいなかったら、私は今頃どうしていたのか…。
考えると、とても怖くなる。
転校は、生活支援をしてくれることの代わりに出された2つの条件の内のひとつ。
叔母のいる、この街に1人で住んで、自立しなさい、ということ。
もうひとつの条件は「必要最低限でしか、私に関わらないで」というもの。
叔母さんは、子供が嫌いだから。
つまりは、「最低限のお金はあげるから、あとは勝手にしなさい」というわけだ。
言葉では表せないほど、感謝しているけれど、その反面、母の姉ということが信じられないくらい、とても厳しい。
本当なら、私のことなんて放っておきたかったのだろうけれど。
父と母が遺言を残してくれたおかげで、今私の面倒を見てくれているんだ。
そう思うと急に、寂しくなって悲しくなってくる。
「はぁ……。」
そんなことを考えていたら、これから先がとても不安になってしまう。
思わず、ため息が出る。
「ごめんね。お待たせ。
入っていいわよ。」
先生の声がして、ハッとする。
「はい…!!」
切り替えていこう。
新しい出会いは、きっと希望で溢れてる。
困難を乗り越えた先に、暗いゴールなんてきっとないから。
深呼吸をして、不安な気持ちをなぎ払い、教室のドアを開けた。
「この時期に転校してくる子は、珍しいから、きっと皆喜ぶわ。」
「そうですよね、仲良くなれると良いな。」
「皆、優しい子達だし、永遠ちゃんならきっと大丈夫よ。」
にこにこ話してくれる先生の声は、とても優しい。
まるで、お母さんみたい。
『2年3組』
教室の前について、先生に呼ばれたら、中に入るように言われる。
廊下にいても教室の中の様子が伝わってきて、緊張する。
そうだよね。だって、普通は、こんな時期に転校なんてしてこないもんね。
私が、この学校に来たのは、高校1年生の秋に、父が事故で死んでしまったから。
ずっと昔、私がとても小さい頃に母が病気で死んでしまってから、父1人に育てられてきた。
身寄りもない。お金もない。そんな私を引き取ってくれたのが、叔母だった。
いま、こうやって高校に通い続けていられるのも全て、叔母のおかげだ。
もし、叔母がいなかったら、私は今頃どうしていたのか…。
考えると、とても怖くなる。
転校は、生活支援をしてくれることの代わりに出された2つの条件の内のひとつ。
叔母のいる、この街に1人で住んで、自立しなさい、ということ。
もうひとつの条件は「必要最低限でしか、私に関わらないで」というもの。
叔母さんは、子供が嫌いだから。
つまりは、「最低限のお金はあげるから、あとは勝手にしなさい」というわけだ。
言葉では表せないほど、感謝しているけれど、その反面、母の姉ということが信じられないくらい、とても厳しい。
本当なら、私のことなんて放っておきたかったのだろうけれど。
父と母が遺言を残してくれたおかげで、今私の面倒を見てくれているんだ。
そう思うと急に、寂しくなって悲しくなってくる。
「はぁ……。」
そんなことを考えていたら、これから先がとても不安になってしまう。
思わず、ため息が出る。
「ごめんね。お待たせ。
入っていいわよ。」
先生の声がして、ハッとする。
「はい…!!」
切り替えていこう。
新しい出会いは、きっと希望で溢れてる。
困難を乗り越えた先に、暗いゴールなんてきっとないから。
深呼吸をして、不安な気持ちをなぎ払い、教室のドアを開けた。