朝、学校につくと沢山のにぎやかな会話が聞こえてくる。
そんな中私は、何人かと適当に挨拶を済ませて席につく。
隣には、佳君がもう来ていた。
「おはよう。昨日は、どうもな。」
「いやいや、こちらこそ。ありがとう。」
佳君とは、昨日話したのが初めてだったし、少し鋭いイメージがあるから、なかなか言葉が出てこない。
「桜、よくあんな店きたね。家そばなの?」
しどろもどろしていたら、佳君から話しかけてくれた。
「いや、石があって。」
「石??」
「うん、道からお店の入口までずっと並べてあったよ。」
「まじか。あのバカ…何してんだ。」
「でも、あの石なかったら、きっとお店にも気づかなかったし、見つけられてよかった。」
そう言って、佳君の方を見ると、すごく驚いたような顔をしていた。
「どうしたの?」
「いや、なんでも。またいつでも来てよ。」
そう言って、向こうを向いてしまうから。
なんだか分からないけど、何となく外を見ると、真っ青な空と太陽と。
全力で校庭を駆け巡る春君が見えた。
