きっと、お父さんやお母さんのことを思い出して寂しかった時、知らず知らずに泣きそうな顔をしていたのかもしれない。
相変わらずおろおろ慌てながら「とにかく、また来てね」ってずっと言ってる店員さんの必死な声に、思わず笑ってしまう。
「また…来てくれる?」
「はい。もちろんですよ、店員さん。」
「店員さんね。僕、一応店長だし。
ってそうじゃなくて。春でいいよ。あっ、こっちのは店員だよ。佳でいいから。」
「いいからって。…いいけど。」
「春…先輩。佳君…。」
「先輩かー。なんか嫌だな。敬語とかも嫌いだし、佳も普通に話してるんだし、普通にしてよ。」
「ぇ…。わかった。春…くん……。」
「うん、良し!」
そう言って笑った春君はとても輝いて見えて。
「今日はありがとう。また来ます。
……泣きたい時時よりも、笑いたい時に。」
そう言うと、春君はまた、太陽みたいに笑った。