…それからどうやって大学まできたのか?

…どうやって講義を聞いたのか?ふと気がつけば、ちゃんとノートは書かれていて、自分の真面目な性分に、呆れさえした。

「…星ちゃん」
「…光先輩」

久しぶりに会った光先輩の顔を見て、何故かホッとしてしまった。

「…なんかあった?」
「…」

光はいつも、私のちょっとした変化に気づいてしまう。それでも強がって、笑顔で首を降る。

「…そう。今日は、もう、これで講義は終わり?」
「はい」

「…じゃあ、今日はとことん付き合ってもらおうかな?」
「…え?あ、光先輩」

呆気にとられる私をよそに、光先輩は私を大学から連れ出した。

「…どこに行くんですか?」
「…ん?んー、遊園地」

「…遊園地?」
「…何も考えたくないときは、とことん遊ぶんだよ」

…やっぱり、私が元気がないのをお見通しなんだな。

「…それに」

…光が足を止めた。

私も足を止めて、光の背中を見つめる。

「…東條星空とよりを戻したんだろ?」

光の言葉に、目を見開く。

「…そろそろ潮時かと思って…星ちゃんへの想いも。だから、これが、最後のデート」

そう言って振り返った光は微笑んでる。…でも、その笑みには、少しせつなげで…


「…光先輩」
「…よし!湿っぽいのは嫌い!ほら、今日は遊ぶよ!」

…閉園間近迄遊び回った私達。
最後は、観覧車に乗って、すっかり暗くなった外を眺める。

夜景はキレイだ。