食卓に出来た料理を並べて二人で食べた。

「…星の料理はホッとする」

ふと、星空がそんな事を呟いた。

…驚きと嬉しさで、顔は真っ赤になり、目には涙が浮かぶ。でも、それを悟られないように、星空に見られないようにうつむき加減でご飯を食べた。

星空は、目線だけを私に向けて、微かに微笑む。

だが、その微笑みは、うつむいている私には見ることは叶わない。

その後は特に会話もなく、静かに食事をした。

…食事が終わると、それを片付ける。

片付けを済ませた私は、自分の部屋に入り、また出てくると、星空に言った。

「…星空」
「…どうした、どこかに出掛けるのか?」

「…はい、ちょっとお買い物に」
「…」

「…星空?」

私の言葉に、なんの返事もすることなく、突然立ち上がった星空は、自室に数秒消え、また出てきた。

…あ。

「…行くぞ」
「…星空も、一緒に?」

「…嫌だとは言わせない」

その言葉に、一瞬驚き、その次の瞬間には、吹き出してしまった。

「…何が可笑しい?」

不機嫌な顔で、星空が言う。

「…ごめんなさい、嫌だなんて思いませんよ。ただ…」
「…ただ?」

「…一緒に行くからには、荷物持ちしてくださいね」
「…なんだ、そんな事か。構わない」

そう言うと、星空は私の手を取ると、部屋を出た。

星空の運転する車で、少しばかり遠出をして、買い物をする。

…こんなところに買い物に来たのは初めてなのか、何でも物珍しそうに見る星空をみて、私は微笑ましい気持ちで、星空を見ていた。