「…星ちゃんの反応は一々ダイナミックだよね」
「…すみません」

「…で?東條星空とは、どんな関係?俺だって、他人に言えない秘密暴露したんだけど?」

…確かに。とんでもない秘密を暴露した光。

…でも、言っていいものか、さすがに迷う。こちらも、大っぴらに話すような事じゃないし。

しばしの沈黙。

「…知り合いです」

苦しい言い訳だ。そんな事で、3年分の学費と寄付金まで、払う筈もなく。

「…言いたくないの?それとも口止めされてるの?」
「…前者です」

私の言葉に、光はまた笑う。

「…ま、いいか。そのうちわかることだろうし。星ちゃんのために、今は聞かないでおくよ。でも、これだけは覚えといて。何があっても、俺は、星ちゃんの味方だから。俺、アイツキライだし」

そう言った光の顔は、本当に、星空が嫌いと言ってる顔だった。

それから…別の講義に向かった光とは別の講義向かった私は、午前中のことを取り戻すように、真面目に取り組んだ。

…1日の講義を終え、マンションに帰る。途中、2、3日分の食料品を買って。

マンションに着き、部屋に入ると、思わず溜め息をついた。今までだって一人だった。でも、夕飯頃には、父か安住が帰って来たら、一人じゃなくなった。

しかしこれからは、ずっと一人きり。

また溜め息をついた、が、そんなことばかり考えてるわけにもいかず、袋をキッチンに置くと、エプロンをして、夕飯の準備にかかった。

…分かっていたけど、一応星空の分の量の夕飯を。