「ねえねえ、珠璃」


「何」


「珠璃の辛いことって何?」


「いきなり何」


「私はねー」


「無視かよ」


「ごめんごめん」


「はいはい」


「私はねー」


「うん」


「生きてること」


「いきなり来るね」


「部活は顧問、私にばっかり怒るし」


「吹奏楽部の話ね」


「吹けない自分も嫌になるし」


「うん」


「何より足引っ張ってる時のね」


「うん」


「みんなの視線が冷たくて泣きそう」


「そうか」


「寝る前に思い出して泣いてる……」


「私が慰めてやるよ」


「意味無いから大丈夫」


「え」


「あとはねー」


「またこのパターンか」


「学校でね」


「うん」


「男子と喋れない」


「そうか」