カタコイ

｢なんか、ほんと何から何まで悠に頼りっぱなしでさ、まだまだ悠の言う通り、ヘタレだよなぁ｣



そう言って前を向いた伸の顔は、いつもと違ってたくましく見えた。



あぁ。



もう、とっくに……



ヘタレなんかじゃなくなってたんだなぁ。



そう思ったけど、言うのはやめた。



これ以上、幸せなことを言ったって仕方ない。



だってもう、これ以上ないくらい、幸せそうなんだから。



｢悠君。私さ、親友はななちゃんと悠君だけって言ったけど…
やっぱ、悠君の方が大切！
ななちゃんも親友だけど…悠君は私の1番の親友だから！！
いつも、ありがとっ！！｣



へへっと笑った真奈の笑顔は、俺の大好きな笑顔で、胸が痛くなった。



けど…痛い、のに嫌じゃないのは多分



俺の恋が終わったってことなんだろう。