カタコイ

2人は手を繋いで、その繋いだ手を上に挙げていた。


「へ……」



全力で走って、大声で叫んで、頭がよくまわらなくて、何が何だかよくわからないけど



これだけは言える。






2人は笑顔だ。






「俺、お前に言われて思ったんだ。
いざって時に、毎回お前に頼ってばっかで、ダメだなって。
だから、勇気出して告ったんだ」



2人がこっちに来て話してくれたのは、俺が屋上を出た後の話。



俺が言ったことをなぜか前向きに受け止め、告白した伸は見事に真奈と付き合った。


「悠、ありがとな」


急な感謝の言葉に驚くと、伸は照れ笑いを浮かべた。