カタコイ

俺は、さっきと逆戻りで走った。


ありきたりなんて言葉でまとめられちゃ困る。
第3者から見るとありきたりでも…


本人にとっては、かけがえのない…


1度きりの大切なものなんだ。



その大切なものを、こんな形で終わらしていいわけないんだ。



また息が切れる。



息切れが酷くなる度に、学校が近づく。




胸が苦しい。



この苦しさはきっと__。



「___伸!!」



必死になって伸を探すつもりだったけど、校門の前で伸は真奈と一緒にいた。



俺は、本当はこんなに全力で走ったんだから大声なんて出るわけなくて、今本当は喋るのが辛い。



それでも、今伝えなきゃいけない。



この、思いを_。



「お前、俺に言われたからって怖気ついてんじゃねぇよ!!
本当に好きなら……男みせろよ!!!!」



何年かぶりに叫んだ言葉。


きっと、何言ってんだって顔されるにきまってる。


それでもいい…。


そう思って伸と真奈を見ると…