カタコイ

「俺、告白しようと思う」


その急な宣言に思わず言葉を失う。


「真奈が俺のこと好きなんて思ってないけど…動き出さなきゃいけねぇと思うし…。
どうかな?」


ここで俺にふるところがまだまだヘタレな俺の親友。


その親友にこういう時なんて言うのがいいのか、なんて。


わかっているんだけど


出てくる言葉は_。


「無理だろ」



「こんな時まで俺にふってきて、そんなんで告白とか絶対無理。
真奈にふられる可能性もまだまだ高いし、やめとけよ」


ちがう、ちがうから。


“いってこい”って言いたいのに。


“頑張れよ”って言いたいのに。


こんなこと、言いたくないのに。



「そう、だよな」


そう言って少し悲しそうに笑った伸。


そんな顔させたかった訳じゃないのに。


その顔を見るのが辛くて、俺はたまらず屋上から出て家路を走った。