カタコイ

放課後、俺はもう一人のうるさい親友の伸と屋上で話をする、というのが日課のようになっている。



その話の内容といえばどこかで聞いたことのある内容で、もうその話を聞くのはうんざりしている。


「真奈、今日知らん男と楽しそうに喋ってたんだけど、あいつ誰!?」


「あ~、あいつ彼氏いるよ」


「まじかよ!良かった~」



おおげさに安堵しているが、この話何度目なんだろうか。


「あ、それとさ…この前も一緒に誰かと職員室まで行ってたんだけど…」


「それ、同じ係りのやつじゃね?」


「なるほど!」



こんな話をしながら、俺はこいつの言ってることにほとんど答えてることに気づいた。


やべぇ、こんなに答えれてるのはさすがにおかしいか?


そう思ったが、何も気にせず話していた。



良かった。あほで。


そうは思ったものの、俺の中では少し焦った。



いつのまにか、こんなにも追いかけていたことに。