カタコイ

「そういうことは、伸に言えよ」


俺は真奈の頭をくしゃっと撫でた。



「だって、1番の親友なんて言葉、悠君にしか言えないし!」



「…………そっか」



そうだ。



1番の好きな人なんて言葉じゃなくても、俺だけの言葉があるんだ。



それをもらえただけでも、幸せもんだ。



「ほら、2人で帰んだろ?」



2人の背中を軽く押すと、2人は少し照れながら笑った。


2人が前を向いて手を繋いで帰る瞬間に、俺は言い忘れた言葉を思い出した。



「伸、真奈!

おめでとう」



そう言うと、2人は笑った。



俺の大好きな笑顔で__。