ー某病院。二十二時半頃。
山中に脚の手当てと運転をしてもらった香音はフルスモークの車の中から傘をさすと同時にドアを開ける。
「此処だ、有難う山中。
後、此の服も。」
香音の着物は元々綺麗な花柄を纏っていたが先程の戦闘の所為で真っ赤に染まってとても人前には出られる格好では無かった。
途中山中が近くの店に寄り、香音の為に新しい服を購入してくれたのだ。
「いえ、其れで大丈夫でしたか?」
グレーの少し分厚いハイネックにデニムのロングスカートを履いた香音は静かに頷く。
「うん、是なら脚にも負担掛からないし…
対応が相変わらず男前だね。」
「勿体無い御言葉、有難う御座います。」
そう一礼して山中も車から降りて傘をさし、鍵を掛けると香音の為に車椅子を急いで取りに行った。
山中を待っている間香音は傘の中から雨が次第に弱くなっているのを感じていた。

