その時、疎ましいと言わんばかりに香音が手にしていた銃が紫吹の大きな手によって振り払われてしまった。



瀕死状態の男はやっとの思いで紅く染まったコートから予備の拳銃を出すと呆気に取られた香音の額に其れを突き付けた。




「…ッゲホ、ゲホッ…ハァッ、ハァッ…


見事やったで…だが其れも是で仕舞いや。」




紫吹の口角に合わせるかの如く徐々に引き金が引かれていく。




「ほな、さいなら。

竹内の女。」















…バンッッ!!!