黒猫の香音(後編)

先程とはまるで別人の様に崩れ落ち、紅く染まった"それ"を懸命に押さえている人物が其処に居た。





香音は脚を撃たれていた。





「急に大人しゅうなってもうたな、さっき迄の勢いは何処行ったんや?」



紅く染まった細い脚を只ジロジロ見ながら紫吹は相変わらず気味の悪い笑みを浮かべて見せる。



「…躊躇無いね。」



余裕を見せたつもりが滲み出る汗で流れ出る血が次第にぼやけていくのが解る。


発した言葉すらみっともなく掠れていた。


「『八つ手』ゆうてたさかい一本減らさしてもろうた。」



「意味分かんないだけど…」