黒猫の香音(後編)



あたかも黒い液体を溢し、無理矢理黒く塗り潰した様な景色の中未だに止まぬ雨音は更に増していた。


何れが何処で


何が誰なのかすらも理解させてもらえない程にー…





人気の無い路地裏の向こう側に潜む小さな店の中も騒然としていた筈なのに外の雑音の所為なのかまた閑散とした世界に戻る。



、と一瞬何か音がしたと思ってもまた元に戻る。



尚暗く黒い雨音は響き渡り、店の中は静まり返った。







只、浅く、枯れた呼吸だけは除いてー






「…ハァッ…ハァッ…」