パンッ、パンッ、パパァン!




「「「あ゛ぁぁあああーー!!!」」」




周囲に居た色とりどりの男達は呆気無く撃つ術も無くその場に倒れていった。





残るは『最も恨むべき相手』只一人_






「かつてはこの『徴』が蜘蛛の如く『八つ手の竹内』と呼ばれていた。


以後お見知り置きを。」






何発か放たれた弾の残りカスの臭いと周囲の男達の血の臭いが同時に充満するのが鼻につくのを確認するとようやくその中の『頭』らしき男は口角を徐々に上げ口を開く。




「…こりゃあ驚いたわ、まさか『竹内』ん所の女やったとは、流石や。


せやけどこの『紫吹謙四郎(しぶきけんしろう)』が相手なら勝算はどの位になるんやろな…」





そう言って『紫吹』と名乗るその男も懐から拳銃を取り出す。





「私はそれでもアンタを殺す、たとえ悪名高い『紫吹』が相手でも。」





拳銃を向けられても怯む事無く香音は真っ直ぐに紫吹を捉える。





「ほな、いくで。」








パンッ!








一つの銃声音が外の激しい雨音と共に消えた。