黒猫の香音(後編)

「誰だ、アンタら。」




そこに居たのは『香音』ではなく黒いスーツを来た男達だった。



『ヤクザ』だ。







「やっぱり知らんのか、せやろな…


実は以前ここに呑みに来とったウチのモンがそらぁ、えらい世話になったっちゅう話やないか。


焼き入れた上にいてこましたと小耳に挟んでな、そいで是非その『礼』にとここの店に立ち寄ったさかい、その『女』にわざわざ会いに来たんや。


…兄ちゃん、その『女』と知り合いかいな?」



その問いに航聖はしばらく黙り、やがて口を開く。






「まぁ、知り合いだな。


今となっては『ただ』の、としか言い様が無いが。」




「そうか、そいつは丁度えぇ。


その『女』いつここに来るかぁ教えて貰えへんかな?


なぁに、兄ちゃんが教えてくれんならここの『女』とちぃと『話』するやさかい、兄ちゃんには何も手出しせぇへんで。」



男達は怖い顔でニヤニヤ笑う。