黒猫の香音(後編)

ふと近くのカウンターに立ち寄る。


そこには今朝香音が呑みかけた『香露』が置かれたままだった。


航聖は呑みかけの『香露』を手に取ると側にあった御猪口についでちみちみ呑みだした。




「よくアイツも好きで呑んでたから俺も知らないウチに自分から呑む様になってたっけな。」



でも…と航聖は一人言を言い続ける。





「味…すっかり変わっちまったな。」




そう言い残し静かにまた苦笑した。