話を聞くと、どうやらこの部屋の窓が空いた状態で藤くんが演奏してたのが功をそうしたみたい。
ピアノの音を聞きつけた増田先生が様子を見に来てくれたらしい。
「この調子じゃあと2日もあれば完璧だな!?
やるじゃんお前ら!」
「……ははっ。」
どうしようかわいた笑いしかでてこない。
「マジっすか…。」
藤くんも途方に暮れていらっしゃるご様子。
「ていうか!
先生!この部屋って内側から鍵開けられないんですか?
先生が来てくれなかったら、危うく私達、朝まで2人でここで生活するハメになってたんですけど!!」
「ん?あー!伝え忘れてたわ、ほんとごめんなお前ら…。」
バツが悪そうに頬をかきながら先生が言う。
「なにをっすか??」
「鍵しまってると思ったんだろ?
そうじゃなくて、ここの扉すげぇたてつけ悪いんだよ。
開けんのに結構なコツがいってな、、、普通に前後に押して引いてじゃ無理なんだ。
ノブ回した状態で…よっと。
少し上に持ち上げながら押してやると開く!」
いや、そんなドヤ顔で実演されても…どうりで開かないわけだよ先生。
「いや、そんなドヤ顔で言わないでくださいよ。(笑)
俺らマジ焦ったんすからね!?」
あぁ、せっかく私が心の中で留めておいたセリフを…こういうことも構わず言っちゃうのが藤佑李だった。。。
「それに関しては本当に悪かったよ。。な?
ま、今日はもう遅いしお前ら気をつけて帰れよ!
ほら、戸締りは俺がやっとくからまた明日よろしくな!」
強引に話をそらして私たちを退去させた先生。
「マジで覚えてろよ…増T…。」
「本当に勘弁して先生。」
こうして、なんとも不運な事に明日以降の放課後の予定が綺麗に埋まってしまった。

