「増田先生ほんと恨む~~!!」
よりによってなんで藤くんとこんな目に。。
「つかただ待ってんのも暇だしさ、なんか話そーよ。」
当の本人切り替え超早いし。
「別にいいけど。」
「んじゃさ、美羽の恋愛話聞かせてよ」
は?なにいきなり?
「そんな、話すほどのことないし。」
「えー、今好きな人とか気になってる人いないの?」
「居ない。てゆーか、私誰かを特別そういう目で見れたことないっていうか…。
今までも付き合ったことはあったけど、なんとなく好奇心とか、興味本位で付き合っただけだったし。」
「そーなの?なんか意外。」
「うん。私の事、好きだって言ってくれる人がいくらいてもさ…
藤くんはもう知ってると思うけど、私結構人見知りとか激しくて人と接するのに壁作っちゃうから。
嫌われないようにいい子演じちゃうっていうか…。
そーやって、少し作ってる自分を好きって言われちゃうと、本当の自分からどんどん遠ざかってって。
気付いたら好かれてる自分を必死で繕って演じてんだよね。
そのうち、相手の期待裏切らないようにってプレッシャーでパンクするんだよ(笑)」
なにこれ。私、柚葉にもこんなこと話したことないのに…。
…藤くん相手になにマジに語っちゃってんの私。
「そっか、、なんかわかるかもそれ。
人付き合いってほんと難しいよな~」
「ほんとね。だから本当に自然体で仲良く楽しく出来るような付き合い方に憧れる。」
「自然体か…
いけるいける、工業高校の男女比考えてみろ(笑)
選り取りみどりだぞ!
…大丈夫。きっといい人と出会えるよ。」
なんか、最後の大丈夫は自分に言い聞かせるみたいな言い方。
それに、いつもあんなに適当三昧な藤くんだよ?
茶化したりおふざけ無しに真面目に話してるとか。。。調子狂う。
「俺が美羽を小さい小さい自分の殻から、でっかい世界に連れてってやる!」
「なにそれ。笑
それであとから 俺にお礼は~? とかいうんでしょ??」
「わかってんじゃん。笑」
なんだ。すっかりいつもの藤佑李だ。
さっきまでの真剣モードはどこへやら。笑
…なんか、私、藤くんのこの適当さが心地いいのかも。
今まで人と関わるのに色んなこと気にして、気遣いすぎて疲れてたけど。
こんくらい適当だと私も適当でいいから、楽。
「あー!!!」

