「絶対今日中に終わらせんのは無理だと思うんだよね、俺。」
「私も。今日はお開きにしとくー?」
「だな、あっちぃし空気わりぃし疲れた。」
「とりあえず私荷物教室だから戻んなきゃ。」
各々持ち場を離れてドアに向かう。
ガチャ…
「ん?」
ガチャガチャガチャッ!!
「…藤くん、開かないんだけど。」
「はぁ!?流石に冗談キツいって!」
ちょっと貸して、と藤くんに言われポジションをチェンジ。
ガチャ!
ガチャンガチャン!
ガタガタガタガタッ。
「………」
「………」
「「終わった。」」
嘘でしょ…こんな、こんな漫画みたいな展開…。
てゆーか!!
「なんで内側に鍵ないのこのドア!」
「そもそも、鍵しまるような音とかした??」
一生懸命記憶をたどってみるけど、集中しすぎてて全く記憶にない。
「あ、こっちじゃなくて物理室に繋がるドアは!?」
2人揃ってバッと別の扉に視線を移す。
"故障中" の張り紙。
「…信じらんねぇ…。」
窓は一応あるけどここは3階。
窓からの大脱出の線は却下。
「どーすんの。帰れないよ。」
「そりゃ、誰か外通んの待つしかなくね?
まだ完全下校時間じゃねぇし校内に人は居るっしょ。」

