青春アンサー




ははっと藤くんは自分の手元の紙パックに視線を落としいつもの調子で笑った。


けど、その前のセリフ。


いつになく真剣なトーンで、まっすぐな目でそんなこと言うから__



「っ…ばっか、じゃないの!

そーだよ、自分で私のこと怒らしてんだよ!」


動揺を誤魔化すように、いつもより少し声を張り上げた。



私が人付き合いダメなの特に話してないのに、バレてた。見透かされてた。


藤くん相手にドキドキした。


鼓動が早くなった。


やめて、おさまってって思うのにそう思えば思うほど言う事を聞いてくれない。



そこに、


「お、藤…と橘か?」



ナイスタイミング先生~~~~!!



声をかけてきたのは物理を担当してくれてる増田先生。


ちょうど藤くんのクラスと私のクラス共通で教えてくれてる先生。


授業はわかりやすいけど、すごいズボラで豪快。親しみやすくて生徒人気もかなり高い。


「ちょうどよかった、ちょっと頼まれてくんないか?」



「「なんですか??」」



「とりあえずついてこい。」



藤くんとお互い首をかしげ、わけがわからないまま増田先生についていく。



「ここだここ!」



ここって…


「物理…準備室ですか?」



「そうそう、これ鍵なー。

ここの片付け頼みたいんだ、俺別の仕事入っちゃって。

大事なものだけとりあえずざっとまとめて別の場所もってったから、あとは、捨てちゃって大丈夫!

使えそうな備品だけ取っておいてくれ。

じゃ、頼んだ!」