恋は駆け引きだと誰かが言う。
でもボクがしているのは駆け引きなんかじゃなく、現実との孤独な一人相撲。
もどかしさと淋しさとの闘いだ。
君はあの子とうまくいった。
君を哀れむ同性の味方も増えた。
ボクの耳にはヒソヒソとした声。
目には嘲笑と冷淡な視線が焼き付いた。
ボクからの連絡は君本人についに拒絶された。
ボクからのメッセージは届かない、読まれない、響かない、そして消される……。
ボクは強がった、とにかく見栄を張った。
こんな結果当然だよなと笑い、君ならあの子とうまくいくと思ったよと笑い、祝福し、君が幸せならそれでいいのさとヒーローのような台詞を吐き、それでもボクはボクで自分の気持ちに素直でいるだけだからと綺麗事を並べ、全ては必然だったのだと今まで以上に背筋を伸ばした。