君との距離

「…拓にはわからないよ」



涙が出そうな顔で美玖は言った。



なぜか、怒りがこみあげてきた。




「何もわからないくせに」




「え?」




「俺だって前の学校では全然今と違うんだよ。パシリにされていじられて、何も知らないくせにわからないとか言うんじゃねーよ。」




自分が思っていること全部吐き出してしまった。





「‥ごめんなさい。前にも聞いた気がするのに‥」





「…」



黙って部屋を出た。




ドアを強くしめてしまった。





‥はぁ。