ライトはある人に会うために王都へ向かっていた

「完全に遅刻じゃん」
約束の時間は10時30分
現在時刻10時45分
「怒ってるかなぁ?怒ってるよなぁ」
だがライトに急ぐ気配はない

しばらく歩いていると王都の入口が見えてくる
よく見ると王都の入口のドラゴンの像の近くに人が立っていた
ライトはその人に向かって手を振る

手を振るライトに気づいたのか猛スピードでこちらに向かってくる
その手には剣が握られていた

「おせぇんだよぉ"ぉ"ぉ"っ!」

そう言って持っていた剣をライトに躊躇いも無く振り下ろす

ライトはそれを半身を1歩後ろへ引いて避ける

「まぁまぁそんなに怒んなって」

ヘラヘラしているライト

「これで何回目だ!」

突きを放つが、それもライトに軽くあしらわれる

「あ"ぁぁ避けるな!」
「そりゃ避けるわ!当たったら痛てーだろ」

先程から気になっていると思うが、ライトに攻撃しているのがライトの唯一関わりのあるプレーヤー

「ヘラヘラしてんじゃねぇ!このクソ姉貴!」
「姉に向かってそんなこと言うなよぉ、おねーちゃん泣いちゃうぞ」

ライトの弟である

鬼島 ヨルト

プレーヤー名
ヨル
性別

年齢
16
所属ギルド
煉獄(れんごく)

「まぁまぁ許してよ、ヨルが欲しがってたファイヤードラグーンの鱗取ってきたから」

ヨルトの動きが止まる

「姉貴...それマジ?」
「あぁマジ」

ヨルトの表情が一気に明るくなる

「姉貴ありがと!」
「おうおう可愛い弟の為だったら何でもするぜ!」
「遅刻のこと忘れたわけじゃねぇからな!」
ビシッ!と聞こえそうな勢いでライトを指さす
「チッ...ダメだったか」
「姉貴聞こえてる」

「まぁいいや、それより本題なんだけど」
「あぁ、討伐の手伝いだろ?忘れてねぇよ...で、討伐対象は?」
「Aランクのケンタウロス」

-ZERO-のモンスターには8つのランクがある

SSランク
Sランク
Aランク
Bランク
Cランク
Dランク
Eランク
Fランク
1番強いのがSSランク
1番弱いのがFランクとなっている

さっきライトが倒したファイヤードラグーンはCランク

今回の討伐対象のケンタウロスはAランク
Aランクは中級プレーヤーがやっと倒せるか倒せないかギリギリのラインのモンスター


「また何でこいつを討伐しようと思ったわけ?ヨル、ギリギリ中級プレーヤーだけどまだ討伐してもレベル足んなくて武器錬成出来ないよね?」

ライトが疑問を投げかける

「あれ?姉貴なら知ってると思ったんだけど、来月の第2週の土曜日に-ZERO-内で大会があるんだよ、王都全体を使ったバトル大会、それの参加資格が中級以上で、ケンタウロスの蹄を持っている事なんだ」

「あ〜そうゆう事か、でもケンタウロス1人で倒せなきゃ大会出てもすぐ他の人にやられちゃうんじゃ」
「まぁそうなんだけど、でも少し大会まで時間あるからレベル上げ頑張るよ」

「わかった、じゃあそろそろ行くか」
「よろしくな姉貴!」



そして2人は目的の場所に向かって歩き始めた