「迎えって……一体何のですか?
…わ、私これからどこかに売られ…?」

「寝言も大概になさらないと、
そのまま口を塞ぎますよ?」









────?!







私は彼の衝撃発言に思わず黙り込むと


彼はそんな私を見て
意地悪く口角をあげて




手に持っていたティーカップを

カチャン、と テーブルに置いた。









「…苛めがいがありそうなお嬢さんだ。」

「?!」









そして再び彼がそんな衝撃発言をすると



彼はソファから立ち上がって
静かにこちらに近づいてくる。







…な、何?!何する気…?!









「あ、ああああの……?!?」

「…ふっ。…そんなに顔を赤くして
一体何をご想像されてるんですか?」









私の慌てる姿を見ると

彼が笑みを深めながらそう言って




私の顎に
そっと───指をかけた。








そしてそのまま
───クイッ、と上へ持ち上げると





彼の美しく整った顔と

私の視線が…静かに重なる。









「…成田有梨(なりた ゆうり)さん。
今日から貴女と、同居して差し上げます。」










そして




彼のそう言った声が


妖しく耳元に……そっと、囁かれた。