栗の言葉に驚いて

慌てて鞄の中から鏡を取り出して
首の指摘された部分を見る。





すると、何てことでしょう。






赤い痕がくっきりはっきりと────









「じゃなくて!!
え?!な、何で?!いつの間に…?!」

「わぁー、とうとうお前も大人の階段登っちまったのね。」

「ちょ、違う!誤解だからね!?」








私の慌てぶりを見ながら
栗にそう鼻で笑われて

私はそれも慌てて否定した。






未遂です!襲われたけど未遂!

あ、いや、未遂もダメだけど!!








段々自分でもわけが分からなくなるほど混乱してきて

私は一旦、深呼吸をする。






……落ち着け私。とりあえず応急処置だ。







私はそう思って、持っていた絆創膏を痕の上に貼って
ひとまずそれを隠した。