『姫、お迎えにあがりました。』








────まだ小さい頃




女の子なら誰でも憧れる
おとぎ話に出てくる理想の『王子様』。







優しくて、かっこよくて

男らしく私を守ってくれる……






そんな『白馬の王子様』を


ずっと、夢見ていた。










いつか私を迎えに来て


そして幸せな『2人の城』に
彼が私をさらっていく…









それが、私の理想だった。









────なのに












「こんなに無防備な貴女には、
もっと"自覚"をしていただかなくては。」












────私を迎えに来た『王子様』は







白い服を来た爽やかな青年でも



馬に乗って現れる素敵な男性でもない










黒い服を着て



黒い車に乗って私の元へやって来た-----












「私が、"躾直し"て差し上げましょう。」












────意地悪な、"悪魔"だった。