仮に君と恋をしたなら




「…山田実都です」

「実都ちゃん?」

「可愛い名前だね!実都ちゃんって呼んでいい?!」

「いいわけねーだろ!お前らちょっと黙れ」



小宮がちょっといつもより砕けて言葉遣いも粗くなっている。こっちが素なのか。ちょっと面白い。



「ごめん、山田。コイツらいない方が良かったね」

「おい、いない方が良いって何だよ!」

「そりゃ、圭輔にとっちゃ俺らはお邪魔虫だもんなー?いつも山田山田言って…」

「マジで黙れ」



小宮が木戸の口を手で塞いだ。



「そんな、言ってないから!」



小宮は赤面しながら私に弁解する。そんなということは何度かは言ってるんだな。



「あ。うん、大丈夫」

「実都ちゃん、優しいな」

「おい、実都ちゃん言うなよ井澤!」



小宮が私のことを名前呼びする井澤を注意した。



「別に良いじゃんね?俺のこともヨシくんでいーよ」

「それ、お前の母ちゃんだろ。マザコン」

「俺も俺も!タッくんでいーよ」

「誰だよ。呼ばれたことねーだろ」

「今、作った」



小宮は初めて話したときも、楽しいと思っていたけど、こうして話していると一層面白い。新たな一面を知った。