仮に君と恋をしたなら




私って負けず嫌いなところあったんだな。



「もし、私がお弁当作ったら…真山、食べる?」

「何、そんなの食べるに決まってんじゃん」

「私、料理とかしたことないよ?悠みたいに美味しくできる保証とかないよ?」

「うん…。あー、やべぇ…」



真山は顔を逸らした。



え。ヤバイの?やっぱり料理初心者の作ったもの食べるのは恐いし嫌かな。



「やっぱり止めとく…?」

「違う違う!そうじゃなくて!」



?!



何が違うの、どっちなの。



「山田が頑張って弁当作ろうって思ったの、俺のために?って思ったら正直嬉しくてヤバイ。しかも、大塚のこと気にしてるのとかもヤキモチ?だったらなんかヤベーなって」

「…」



ヤキモチ?
私は、ヤキモチを妬いていたの…?
まさか。そんなのは真山を好きな人が抱く感情のことでしょ?私のは単なる負けず嫌いからのものだと思う。だから、ヤバくないよ真山。



「真山は何も気にしなくていいよ」

「え?…それは、どういう」

「真山。明日はお昼、一緒に食べよ」

「お、おう」



明日の体育祭は早起きをしてお弁当をこしらえよう。