仮に君と恋をしたなら




その小宮を遠ざけるのは心苦しい。誤解を招かないためとは言えど。



「ううん、やっぱり周りの目を気にしちゃって…普通に話してるだけでも真山と二股とか浮気とか、そういう噂って直ぐに流れるじゃない?小宮にも迷惑かけちゃうし…」

「山田が悪く言われるのは嫌だけど、俺はいいよ。それくらいのリスクは最初から背負うつもりだったし。まだまだ山田にとって俺は友達としても薄い存在だと思うから、近づきたい。これが本音だけど。でも、そうすると悪い噂が出回るんだろうな~」



小宮は、頭を抱えながら提案した。



「例えば、俺のダチと4人でっていうのはアリ?山田がいつも食べてるとこに俺らが偶然を装う的な感じで現れて一緒に…」



小宮はどうして全部言ってしまうんだろう…。そう思いつけるなら、黙ってそうしてしまえば良かったのではと疑問に思う。



「偶然なら…。でも、小宮の友達はそれで良いの?」

「ちゃんと話すよ。紹介したいし。今日はいきなりごめん。次、機会があったらみんなで食べよ」

「分かった。私も真山に話してみる」



次の機会がまだあるかはわからないけど、あっても良いとすこし思っていた。