「小宮?え、どういう経緯で言われたの、それ?」
「別に朝、登校中話したときに普通に」
「や、かなり接近してないと匂いとかわかんねーだろ」
真山は何が言いたいんだ。少し怒っているようにも見てとれる。
「つーか、俺と行くのは断って小宮と一緒かよ」
「たまたまだよ。声かけられたのも門のところでだし」
「ふーん。やっぱ朝、迎えにいく」
「え?」
もしかして、真山はそれで拗ねていたの?
「彼女の隣には彼氏がいるのが普通だろ?」
私も、今朝は周りに少し不信感を抱かれていた気がした。真山と登校するべきか。
「わかった。じゃ、7時半に」
「OK!」
私たちは登下校を共にすることになった。
今までは約束をしたことはなかった。会えば自然と一緒に登下校をしていたが、約束をしてというのは新鮮だ。
それから朝は一緒に登校するようになったけど、昼休みも放課後もお互い委員に忙しくなり、学校では授業間の休み時間に話す程で、中々ゆっくりできない。
初めて昼休みが一人の時は、私は購買へ行くのを忘れ、真山は集会に飲み物を持っていくのを忘れたらしい。その後は気を付け、そのようなことはなくなった。朝、一緒に登校する時はお互いの委員の話が増えて、真山は随分と楽しくやっているそうだ。


